最後に立ちはだかる高妻山!?  2008.7.19
           梅雨明けの戸隠連峰にアップ、アップ!

 今回は相棒が2人も付いた!?遠くもなく、日帰り山行だからなのか?はたまた百名山だからか?それにしても財布は助かる。山行の行動について何も決めずに阿吽の呼吸でいいや。と出発するのである!?

5:00 滑川で3人目を拾って戸隠牧場を目指す。名立谷浜で2枚目のETCカードに切り替えて上越道を行くが、何時も顔をだす妙高、黒姫は雲の中で予報とは違う。でも信濃町ICからは強い日差しが車に当たる。朝露に濡れた牧場駐車場に予定通りに着いた。不思議な事に周囲の山々は雲に覆われているのに戸隠連峰だけが目のように開いている。
7:30 駐車場を発ち牧場に入る。牧場の中程に夏山登山相談所のテントがあって登山届けを提出する。大洞沢の林を抜けると滑滝が現れ右手の鎖を使って沢伝いに進み、一旦、右岸に高巻すると、鎖が2メートル間隔で縄暖簾のよう下がっている帯岩をトラバースして不動滝の鎖に摑まって攀じ登れば、氷清水の水場は直ぐである。
帯岩 不動滝
氷清水
ここから先は沢も切れて日陰の無いザレ場の急登が続く。時々立ち止まって9:30一不動に着く。3番手は遅れていたが10分後に到着する。ここから五地蔵まではアップダウンの少ない樹林帯の尾根歩きで呼吸が整えられるが、日向の日差しが強く陰が嬉しい。二釈迦辺りから後立山が現れるが頭だけ、三文殊からは形が申し分ない三角錐の高妻山が初めて姿を現す。四普賢で休憩するが、3番手に15分の遅れ。ペースを極力落として五地蔵の頂上を窺ったりして調整するが付いてこない。六弥勒は頂上からやや下がったところにあり、脇に下りの新道を示す黄色のテープが巻いてあったが、見過ごしてしまいそうである。六弥勒からは一気に下る。

妙高山
戸隠八方睨み
戸隠稜線

右手には妙高、火打、焼山の山並みが、左手には高妻山戸隠の稜線が、正面は七観音の横に高妻山がある。
七観音の登りで3番手が六弥勒を下るのを確認して八薬師を目指すが、ここが少し長く一つ峰を越した先にある。途中に日陰で冷たい風が吹いていて気持ちの良い場所もあったが、八薬師で休憩する。10分経過しても3番手が来ないので、声を掛けたが返事もない。やばい所も無かったし、すれ違う人も多くなって情報が得られるだろうと先を行く。写真を撮りながら時間を調整してきたが予定通り11:30九勢至に着く。ここから1時間で届くと思ったが、写真で見るより急峻な八丁ダルミ?がある。これを見てか、左足に違和感が走ったので二番手にトップを譲って先に行ってもらう。岩塩と水を摂って3番手を待っていれば和らぐと思って暫く休んだが、3番手が来ない。リタイアしたのかな!と思ったが、自分はここまで来てリタイアしたら悔いが残るので八丁ダルミに下るが、左足太ももが固まる。少し上がった岩場でCW-Xの上からスプレーする。小水すれば直るのに、もようさない。アンパンを一口入れると和らいでくる。再び歩むが、小幅に徹して下山者に道を譲る。歩くより攀じ登るほうが楽であるが、動く度に左足が固まる。12:30までには中間点に辿り着きたくてひたすら下を向いて歩く。中間点を過ぎた急峻な岩場を越したところで休んでいると、四普賢まで一緒だったペアーが下ってきて「少し登れば水平道があるから十阿弥陀は直ぐだ」と励まされる。腰を上げようと思っていると、下から上がってくる音がする。まさかと思ったら3番手が来た!「二度と来たくないから!一歩一歩進めば頂上で届くから、山頂根性で上がってきた」と、3番手に下がってその後に続くが、水平道でまた休んでしまう。
小水をして、岩塩と水を摂って先を歩いている2番手の行方をみていると、1番手が十阿弥陀の入口まで向かいに出てきていた。十阿弥陀の岩をやっと登ると、高妻の山頂で寛いでいる二人が手招きするが、普段ならケン・ケン・ポンと岩の頭を蹴ってゆくのだが、それも出来なく岩を縫って13:40 高妻の山頂に辿り着く。2時間強も費やして悔しい思いもあったが、やっと辿り着いた。1番手が紙コップに盛ってくれた素麺で、もてなしてくれる。30分の休憩で発たないと申し訳ないと思うが、一向に回復しない。

山頂からの稜線
乙妻山と火打山・焼山

1時間後頂上を後にしたが、二人に付いて行けないのでマイペースで行くからと、十阿弥陀で分かれる。痙攣を無理して登ったのが災いして、下りでは足の踏ん張りが効かない。熱中症は大腿部の痙攣から肉離れに移る。頂上でコーヒーを振舞ったので、予備の水は無くなって、ペットボトルには半分しか残っていない。八丁ダルミの岩場で再び休憩して、アミノバイタルを携えているのを思い出して飲み干すと、以前のように直ぐには効かないけど久しぶりに体が軽くなる、八薬師の下りで七観音を上がっている二人に声を掛ける。互いの位置を確認しながら、六弥勒の急登を上がって新道を窺う「フワフワでクッションはあるが、切り株に注意が必要である」との情ブロッケン報を得ていたが、往路を選んで五地蔵、四普賢と休まず行くと、鞍部でブロッケンに遭遇する。宝剣以来のブロッケンを写真に収めて更に進むと、ようやく二人に追いつく。ブロッケンが現れたと話をすると、三文殊の鞍部で三人がブロッケンの中に納まる。しかも、後光が射すブロッケンで、写真に収めたものの、後光が強く邪魔してハッキリしない。

一不動から黒姫山を望む
17:30一不動。さらに下って氷清水で最後の休憩をする。備えてあるジョッキをいっきに飲み干し、頭から水を被る。実に気持ちがいい!後は不動滝、帯岩、滑滝を慎重にクリアして、大洞沢の林を抜ければ放牧場に出る。牛が放し飼いにされていて夕飯の草をむさぼっている。行く手を遮る牛もいるが、近づくにしたがって後退しながら頭を上下に振って道を開けてくれる。19:00牧場駐車場に到着する。辛かった余韻に浸って帰り支度をしていると、明日、高妻を目指す輩が集まって情報交換の場になる。週末のキャンプ場は団地がそのまま移ってきたように賑わっている。喧騒から逃れて避暑に来ているのに、この様はいったい何であろう!?
19:30牧場を後にする。割引時間まで1時間半しかない。対面通行の上越道を先行車に付いて行き、名立谷浜SAでは顔を洗って一旦高速を下りて、朝日ICを目指すが僅か5分届かず、そのまま21:30滑川ICを下りた。
相棒を見つけた山行であったが、私の失態で足を引っ張って申し訳なく思う。熱中症、肉離れと、久しく忘れていたものが起こって、今後の戒めとうけとめて行動したい!?